DStDevP関数

 テーブルやクエリに含まれる列(フィールド)で、指定した列に記録されている数値の母標準偏差(つまり偏差平方和を値の個数で割ったものの平方根)を返します。
 詳しく言うと、集計の対象となるレコードが母集団そのものである場合の標準偏差です。集計の対象となるレコードが母集団からのサンプルである場合(母集団⊃サンプル)に母集団の標準偏差の推定値を求めるときはDStDevP関数を用います。
 StDevP関数に似ていますが、グループ化を併用せず利用でき、対象とするテーブルや行(レコード)も簡単に指定する(絞り込む)ことができるため扱いやすいというメリットがあります。

使用例

 例として右のようなテーブルを用います。


 クエリを作成し、次のような列を設けます。

   数学点数母偏差: DStDevP("数学点数","成績テーブル")


 データシートビューです。数学の点数の母標準偏差である16.571580611113が得られています。
 StDevP関数の場合、他の列の各行の値を表示しつつ母標準偏差を表示するためにはサブクエリを使う必要がありましたが、DStDevP関数だと関数だけで実現できます。


 上記テーブルに基づく実行結果の例をいくつか挙げてみます。

表記例出力例説明
DStDevP("数学点数","成績テーブル")16.571580611113
DStDevP("英語点数","成績テーブル")16.0127500219452指定した列の値にNullが含まれる場合は、集計の対象から除かれます
DStDevP(50,"成績テーブル")0直接数値を指定した場合、全レコードにその値があるものとして求められた母標準偏差が返されます。結果的に0が返されます
DStDevP("数学点数","成績テーブル","受験番号>=3")14.8502731370469集計の対象となるレコードの条件を指定することが出来ます
DStDevP("英語点数","成績テーブル","受験番号>=3")18.2800437636238

書式

   DStDevP(列名,レコードセット名[,条件])

 列名はダブルクォーテーション(")で囲む必要があります。
 レコードセットにはテーブルやレコードの名前をやはりダブルクォーテーションで囲って指定します。
 条件は対象となるレコードを絞り込むためのものですが、省略できます。

備考

 特にクエリでの使用において、グループ化を考慮する必要がなく、他のテーブルやクエリの値も容易に抽出できますので使い勝手がよいですが、レコード数が多い場合などは実行に時間がかかる場合があります。
 クエリで利用する場合、そのテーブルやクエリをクエリデザイン画面上に表示しなくとも値を取得することが出来ます。