FV関数

 利率、期間数、各期投資額、初期投資額、払込時期をもとに、投資期間終了時における投資の価値(将来価値)を返します。
 簡単な例で言いますと利率と毎期の積立額(及び頭金)をもとに、将来いくら貯まるかが計算できます。

使用例

表記例出力例説明
FV(0,4,-10000)40000利率0で4期にわたり10,000ずつ積み立てると、最終的に40,000になります
原則的に投資(積立)額はマイナスで表します
FV(0.05,4,-10000)43101.25利率5%(0.05)の場合
積算の内訳については下記を参照ください
FV(0.05,4,-10000,-100000)164651.875利率5%(0.05)で、投資の頭金(第4引数)100,000がある場合
積算の内訳については下記を参照ください
FV(0.05,1,-10000,0,0)10000各期の払込時期(第5引数)として0(期末)を指定した場合(上記のように省略しても0とみなされます)
期間数が1ですので、期末に払い込んでも利息は得られないまま即座に投資は終了します
FV(0.05,1,-10000,0,1)10500各期の払込時期(第5引数)として1(期首)を指定した場合
期間数が1ですので、期首に払い込めばその1期分の利息(5%=500)を得て投資は終了します
FV(0.05,4,-10000,-100000,1)166806.9375第5引数(各期の払込時期)として1(期首)を指定し、投資の頭金100,000がある場合
積算の内訳については下記を参照ください

 計算の内容がちょっと複雑ですので図で補足します。

f:id:accs2014:20170916153759p:plain:right:w400

 上記2番目の例(利率5%、4期、各期投資額10000(引数は-10000))における投資の流れはこのようになります。
 各期に10000ずつ積み立てていますが、各期の払込時期(第5引数)を省略しているため各期の期末に払い込むものとみなされます。よって、払い込んだ額に対する利息が得られるのは翌期末となります。最終期である4期に払い込んだ10000については利息が付かず終了します。
 4期にかけて10000ずつ投資した結果として43,101ほどが得られます。

f:id:accs2014:20170916153753p:plain:right:w400

 上記3番目の例(利率5%、4期、各期投資額10000(引数は-10000)、当初投資額100000(引数は-100000))における投資の流れはこのようになります。
 各期における10000ずつの投資の結果は上記の例と同じですが、当初投資額つまり頭金は1期目の期首に払い込まれます。よってこれに対しては1期から利息がつきます。
 (以下、合計額の端数が上記の表と合ってませんがご容赦ください)

f:id:accs2014:20170916153750p:plain:right:w400

 上記6番目の例(利率5%、4期、各期投資額10000(引数は-10000)、当初投資額100000(引数は-100000)、期首払い込み)における投資の流れはこのようになります。
 各期における10000ずつの投資は期首に払い込まれますので、投資したその期のうちに利息が得られます。よって1つ上の例に比べて将来価値が大きくなります。

書式

FV(利率,期間数,各期投資額[,当初投資額,払込時期])

 利率は例えば5%なら0.05と表します。5とか1.05ではありません。
 原則的に各期投資額及び当初投資額(頭金)はマイナスで表します。ただしプラスで記入しても戻り値がマイナスになるだけです。
 払込時期は、0なら各期の期末の払い込み、1なら各期の期首の払い込みを表します。省略した場合は期末とみなされます。
 ただし頭金は常に期首に払い込むものとみなされます。

備考

 引数の内容がなかなか複雑で、符号(プラスマイナス)の解釈がちょっと厄介ですが、PV関数などにも応用できますし、実生活にも生かせる内容ですので覚えておいて損はありません。
 なお、便宜上投資を評価する関数として扱っていますが、入るお金を評価するのか出るお金を評価するかは使い方の問題です。例えば毎期定額の借入を行う際の残高計算に用いることも出来ます。