利率、期間数、各期収益額、満期収益額、受取時期をもとに、収益期間開始時における収益の価値(現在価値)を返します。
"一定期間にわたって収益を得る権利"に今いくらの価値があるのか、つまりいくらまでなら支払えるのかを計算できます。
使用例
表記例 | 出力例 | 説明 |
---|---|---|
PV(0,4,10000) | -40000 | 利率0のとき、4期にわたり10,000ずつ受け取る収益を現時点で評価すると40,000です 原則的に収益額(受取)額はプラスで表しますが、戻り値はマイナスとなります(その価値に対応した支出額を表すため) |
PV(0.05,4,10000) | -35459.5050416236 | 利率5%(0.05)の場合 積算の内訳については下記を参照ください |
PV(0.05,4,10000,100000) | -117729.752520812 | 利率5%(0.05)で、満期受取額(第4引数)100,000がある場合 積算の内訳については下記を参照ください |
PV(0.05,1,10000,0,0) | -9523.80952380953 | 各期の受取時期(第5引数)として0(期末)を指定した場合(上記のように省略しても0とみなされます) 期間数が1ですので、期末に受ける収益は1期分だけ割り引いて評価されます |
PV(0.05,1,10000,0,1) | -10000 | 各期の払込時期(第5引数)として1(期首)を指定した場合 期間数が1ですので、割り引かれず同額で評価されます。いま受け取る10000は利率に関わらず当然に10000の価値があるということです |
PV(0.05,4,10000,100000,1) | -119502.727772893 | 第5引数(各期の払込時期)として1(期首)を指定し、満期受取額100,000がある場合 積算の内訳については下記を参照ください |
計算の内容がちょっと複雑ですので図で補足します。
上記2番目の例(利率5%、4期、各期収益額10000)における収益と、その割引計算の流れ(期末から期首に向かって割り引く)はこのようになります。
各期に10000ずつ受け取りますが、各期の受取時期(第5引数)を省略しているため各期の期末に受け取るものとみなされます。よって、受取額に対する割引はその期のうちに行われます。例として1期の期末に受け取る10000に対しても5%の割引が行われ、1期首においては9523.81と評価されます。
4期にかけての10000ずつの収益は、1期首において合計で35459ほどと評価されます。
(以下、合計額の端数が上記の表と合ってませんがご容赦ください)
上記3番目の例(利率5%、4期、各期収益額10000、満期受取額100000)における収益と、その割引計算の流れはこのようになります。
各期における10000ずつの収益は上記の例と同じです。また、満期受取額は4期末に受け取ります。
上記6番目の例(利率5%、4期、各期収益額10000、満期収益額100000、期首受取)における収益と、その割引計算の流れはこのようになります。
満期受取額の受取時期は4期末で変わりありませんが、各期における10000ずつの収益は期首に受け取りますので、1つ上の例に比べて現在価値が大きくなります。
書式
PV(利率,期間数,各期収益額[,満期収益額,受取時期])
利率は例えば5%なら0.05と表します。5とか1.05ではありません。
原則的に各期収益額及び満期収益額はプラスで表します。ただしマイナスで記入しても戻り値がプラスになるだけです。
受取時期は、0なら各期の期末の受け取り、1なら各期の期首の受け取りを表します。省略した場合は期末とみなされます。
ただし満期収益は常に期末に受け取るものとみなされます。
備考
FV関数と対照をなす関数です。
利率に基づき、FV関数は将来に向かって価値を割り増す計算をします。一方、PV関数は過去に向かって価値を割り引く計算をします。
なお、便宜上収益を評価する関数として扱っていますが、入るお金を評価するのか出るお金を評価するかは使い方の問題です。例えば毎期一定額の費用支払いを行うのに必要な元手を計算するのに用いることも出来ます。